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Peter Gric

ペテル・グリッツ

 

 1968年、旧チェコスロヴァキアのブルノにリュドミラとヤロスラフ・グリッツの一人息子として生まれる。幼い頃から絵の才能を発揮。1980年、両親に連れられ、休暇旅行を装って出国し、そのまま亡命。ハンガリーとユーゴスラビアを経てオーストリアに移住した。ライヒェナウ・アン・デア・ラックスで一年間過ごした後、リンツに移る。同地で小学校を卒業、工業専門学校に入学し、グラフィックデザインを学ぶ。1988年、ウィーン美術アカデミーに入学。画家・版画家・詩人・ダンサー・歌手・舞台演出家として知られるエーリッヒ・ブラウアーの指導を受ける。在学中から様々な美術展覧会に参加。作品も売れ、注目を浴び始める。1993年に修士号を取得。1996年には伝統的手法の絵画とCGを組み合わせた作品を発表。

 2010年、ギレルモ・デル・トロ監督の新作映画、H・P・ラヴクラフトの「狂気の山脈にて」にコンセプト・アーティストとして参加。この企画は現在中断しているが、デル・トロは実現を諦めていないという。

 2011年からはウィーン美術アカデミーで教鞭をとっている。

 

 作品の制作には油絵具、アクリル塗料、エアブラシを使用。しばしばそれらにグラフィック・ソフトウェアで手を加えているが、彼自身はコンピュータは自分の主要ツールであるとは考えていない。

 好んで描くモチーフは未来的な風景と建築、バイオメカニカル(生体機械)・シュールレアリスム、幻想的リアリズムである。彼のインスピレーションの大部分は自然と建築からのものだが、その他に侵食(註.水などにより岩石地層が削られること)、抽象的な幾何学模様と女性の体に魅了されている。

 

 青少年時に影響を受けたのは英国のSFイラストレーターのクリス・ムーアピーター・エルソン、そして映画『スターウォーズ』。しかし、最大の影響は父親ヤロスラフ・グリッツ、サルバドール・ダリ、ジョルジョ・デ・キリコ、マックス・エルンストエルンスト・フックスルドルフ・ハウズナーサミュエル・バクアルフレート・クービンH・R・ギーガーだった。後にはこれらにポーランドの画家・写真家ズジスワフ・ベクシンスキー、ノルウェーのオッド・ネルドルム、オーストリアのデ・エス・シュヴェルトベルガーらが加わっている。

                    (Peter Gric の公式サイト

 

画集リスト

01 Paintings From the First Decade of the New

   Millennium (2012)

02 Android Awakening (2014)

Head (Machine) - 1989

Town X - 1992

Artefact II -  1995-1996

Experiment - 1997

Something - 1999

Twin Tower - 2001

Artefact V -

 2001-2003

Metropolis Triptychon - 2005-2007

Cortex -  2005-2013

Artefact IX - 2004

Sphere II - 2006

Space-Warp Machine - 2010

Inorganic Muse II -

     2010

Android II - 2011

Cocoon - 2012

Artefact XIV - 2014

Orbiter - 2016

Dissolution of Ego V -

      2016

Modified Skull - 2016

Anroid Pietà III - 2016

The Timetraveller - 2016

The Soulless Warrior -

        2016

 チェコのSFサイト Vanili.cz にあるSF画家・イラストレーターのギャラリーで良さそうなアーティストを探していた時に見つけたのがペテル・グリッツです。

 

 正直、このギャラリーで紹介されている画家たちは玉石混淆もはなはだしいというか、「この人は絶対にプロじゃないでしょ」という画力の人が結構います。その中でペテル・グリッツはもうなんというか、全然レベルが違う。H・R・ギーガーの影響が濃厚なのは一見して明白ですが、自分のスタイルも既に作りあげている。

 「この人は誰?」と検索して吃驚。輝かしいキャリアを持っているにもかかわらず、日本ではまったく知られていない模様。こりゃ絶対に紹介したいと思いました。

 早速、公式HPから連絡をとり、このHPで画像を使うことの許可をお願いしたところ、即日、快諾をいただきました。いい人ら。

 この頁をご覧になっているSF・ファンタジィ担当の編集の方がおられましたら、ペテル・グリッツは買いだと思います。また、公式HPでは画集や複製画も販売しておりますので、彼に興味を持たれた方はのぞいてみてください。(公式HP

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