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Sága Vlčí věk

 (狼の時代サーガ)

 第一部

 Jdi a přines hlavu krále

(行け、そして王の首を持ち来たれ)

著  者:ヤロスラフ・モステツキー

     Jaroslav Mostecký

表紙絵:ペトル・ウチェシル

     Petr Utěšil

発行年:2000年

出版社:Netopejr

頁  数:242

 ISBN  :80-86096-48-3

著  者:ヤロスラフ・モステツキー

     Jaroslav Mostecký

表紙絵:ルボミール・クプチーク

     Lubomír Kupčík

発行年:2016年

出版社:Epocha

頁  数:248

 ISBN  :978-80-7425-251-8

 第二部

 Lars, šťavnatá lebka

 (香り高き髑髏のラルス)

著  者:ヤロスラフ・モステツキー

     Jaroslav Mostecký

表紙絵:ペトル・ウチェシル

     Petr Utěšil

発行年:1996年

出版社:Netopejr

頁  数:366

 ISBN  :80-902057-3-9

著  者:ヤロスラフ・モステツキー

     Jaroslav Mostecký

表紙絵:ルボミール・クプチーク

     Lubomír Kupčík

発行年:2016年

出版社:Epocha

頁  数:472

 ISBN  :978-80-7425-287-7

 第三部

 Prokletí přízračných hřebců

 (幽霊種馬の呪い)

著  者:ヤロスラフ・モステツキー

     Jaroslav Mostecký

表紙絵:ペトル・ウチェシル

     Petr Utěšil

発行年:2000年

出版社:Netopejr

頁  数:512

 ISBN  :80-86096-49-1

著  者:ヤロスラフ・モステツキー

     Jaroslav Mostecký

表紙絵:ルボミール・クプチーク

     Lubomír Kupčík

発行年:2016年

出版社:Epocha

頁  数:550

 ISBN  :978-80-7557-015-4

〔解 説〕

 “狼の時代サーガ”がチェコの歴史ファンタジィにおいて最も重要な作品の一つであることは論を待たない。ヤロスラフ・モステツキーは今日にいたるまでわが国で最も人気の高いこのサブジャンルの基礎を築いた。緻密な設定の舞台、魅力あふれる主人公、そして完璧な時代描写によって、血沸き肉踊る物語が燦然と輝いている。

 

 第一部 “Jdi a přines hlavu krále(行け、そして王の首を持ち来たれ)” は1995年に発行されたが、それから二十年後、著者が三度手を加えたものをまとめ、ルボミール・クプチークのイラストが表紙を飾るハードカバー版がEpocha社から出版された。第二部も同様の形式で発行され、そして今、完結編“Prokletí přízračných hřebců(幽霊種馬の呪い)”が世に出る。しかもそれに加えて、“Štěňata vlků(狼たちの仔)”というタイトルで二つの中編をまとめたものが出るというのだから、楽しみで仕方ない……(WEB-SF誌XB-1の紹介記事より)

〔あらすじ〕

第一部

Jdi a přines hlavu krále(行け、そして王の首を持ち来たれ)

 

 物語はヴァイキングがヨーロッパを支配していた頃、民族と古き世界の神々が新たに出現した文明と衝突していた時代…… 大いなる権力を熱望し、デンマーク王国を奪い強大な北の大帝国を打ちたてんと目論む簒奪者ゴットフリートは、戦いの中、デンマーク国王を破る。斃れし王の息子レイフは故郷から追放。しかし、彼にはある条件が与えられていた。もし父親の遺産を受け継ぎたいのなら、容易ならざる試練にあたり、腕力だけではなく勇気と知性の証を立てなければならないのだ。

 

 

第二部

Lars, šťavnatá lebka (香り高き髑髏のラルス)

 

 トロールのヘルギとデンマーク王位の継承者レイフは敵辺境地での戦に敗れて逃走。しかし彼らは絶望はしていない。メルツィース王エテルレドの顧問団がレイフに王座を保証し、彼らの後ろ盾になってくれているからだ。とはいえデンマークへの帰還は容易なことではない。王家の血を継ぐ足萎え者で、伝説の龍殺しトリスタンの最後の末裔であるカヘルディンとの偶然の出会いがすべてをややこしくしていく。長い眠りから目覚め、ブリトン人や他部族の乙女らの肉を求めるミミナガヘビを崇拝する集団にレイフとヘルギは突如取り囲まれていたのだ。

 さらに彼らは哀れな娘たちとの取引きにより、悪名高き王位継承者〔香り高き髑髏のラルス〕とも関わりを持つことに。そのさなか、ヘルギは犠牲者たちの間に愛するウルリケを発見。もはや彼に残された道は、剣を抜き、勝利の雄叫びをあげ、狂戦士と化してあらゆる者を打ち倒し、ヴァイキング船の甲板を血みどろにするのみ。

 

 

第三部

 Prokletí přízračných hřebců (幽霊種馬の呪い)

 

 ミミナガヘビとその信者たちは血みどろの壊滅的な大敗北に苦しんでいた。彼らはかつてはアイルランド全土を震え上がらせた巣穴の中で、穢れた屍として腐り果てつつあった。トロールのヘルギとデンマーク王位の継承者レイフは自分たちの恋人を発見。龍の火床の生贄を生き延びた娘たちを救おうとしていた。もちろん一難去ってまた一難、それどころかニ難、いや、三難、四難、さらに……。

 これはヴァイキングの略奪航海、血まみれの斧、きらめく剣の時代。人はおろか神の運命さえも力と鉄の質のみが決めるところ。そのような中、主人公たちは再び戦いと冒険の渦に身を投じる。自分たちの愛しき人を見つけ……そしてまた別の王の首をあげられるかもしれないのだから。(出版元のEpocha社の紹介から)

〔受賞歴〕

Prokletí přízračných hřebců

 2000年アカデミーSFFH賞 チェコ作品賞

〔Nekulan 一言〕

 実はNeklanは北欧神話や叙事詩が大好きで。かつては「エッダ」「サガ」の日本語訳で知られる谷口幸男さんのご自宅に押しかけて、お話をうかがったこともあるのです。なので、ポール・アンダースンの「折れた魔剣」やディ・キャンプ&プラットの「神々の角笛」といった北欧神話に題材をとった作品も結構読んでます(アメコミの「マイティ・ソー」は未読ですが)。


 ただ、その一方でハワードのコナン・タイプのマッチョな剣と魔法ものにはあまり興味がなく、少し変化球であるライバーのファファード&グレイマウザー・シリーズが好きな程度。

 その意味でいうと、この「狼の時代サーガ」はどうなんでしょう。

 チェコでは評価の高い、しかも人気作品ですから、読んでみたいとは思っています。

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