2017年5月13日付け XB-1より抜粋
http://www.casopisxb1.cz/aktuality/ceny-akademie-sffh-2016/
第22回アカデミーSFFH(SF・ファンタジイ・ホラー)賞の授賞式が去る5月13日、ブックフェア〔本の世界〕会場の大ホールで、例年のごとく多数の作家、イラストレーター、翻訳家、編集者、そしてその他チェコとスロヴァキアのファンタスチカ関係者の出席のもと執り行われた。
受賞リストは以下の通り。
★年間最優秀書籍賞 アレステア・レナルズ:The Prefect
★最優秀SF賞 キム・スタンリー・ロビンソン:The Years of Rice and Salt
★最優秀ファンタジィ&ホラー M・R・ケアリー:パンドラの少女
★最優秀アンソロジー賞 ジョージ・R・R・マーティン&ガードナー・ドゾワ編:Rogues
★最優秀チェコ/スロヴァキア書籍賞 ヴィルマ・カドゥレチュコヴァー:Hlasy a hvězdy (声と星々)
★最優秀短編賞 バルボラ・ヴロベロヴァー: Hlavní chod (メイン通路)
★最優秀翻訳賞 リハルト・ポダニー:パオロ・ガチバルピ The Water Knife
★最優秀イラストレーター賞(国内) ヤナ・ショウフロヴァー:ヤン・ドビアシュNeočekávané dýchánky
(予期せぬパーティ)
★最優秀出版社賞 Argo
★最優秀インターネット・メディア賞 XB-1 (www.casopisxb1.cz)
★新人賞/最優秀企画賞/特別賞
アントーニン・K・K・クドゥラーチュ Anatomie pocitu úžasu (センス・オブ・ワンダーの解剖学)
★功労賞 アレクサンドラ・パヴェルコヴァー(スロヴァキアの作家・書評家・翻訳家)
〔Neklan ひと言〕
今年の最優秀書籍賞・最優秀SF賞はそれぞれアレテア・レナルズ、キム・スタンリー・ロビンソンと、日本でも知られている作家の未訳作品が並びました。この二人の翻訳状況から考えるに、日本で出版されるのはまだ先のことでしょうか。
最優秀ファンタジィ&ホラーのM・R・ケアリーの「パンドラの少女」は昨年(2016年)東京創元社から出版されましたが未読です。すいません。(文庫本(上下巻)がこの5月に出ます。映画化作品『ディストピア パンドラの少女』が7月に公開されます)
最優秀チェコ/スロヴァキア書籍賞の“Hlasy a hvězdy”は、もはや受賞が恒例となったと言っても過言ではない、ヴィルマ・カドゥレチュコヴァーの大河SFシリーズ“Mycelium”の第五作です。次巻で完結という話ですので、このシリーズもさっさと読まなければいけませんね。
最優秀短編賞のバルボラ・ヴロベロヴァー“Hlavní chod”は、短編SF・ファンタジィ・ホラーに授与されるカレル・チャペック賞にノミネートされた作品が収録されるアンソロジー“Mlok (山椒魚)2016”に掲載されていますが、詳細は入手しておりません。
最優秀イラストレーター賞(国内)のヤナ・ショウフロヴァーによる“Neočekávané dýchánky(予期せぬパーティ)”は上に表紙絵を載せておりますが(右端)、ええと、なんと申しましょうか。最近は翻訳ソフトの発達で、日本語の文章も翻訳されてチェコの方に読まれてしまうので、ゴニョゴニョ。
新人賞/最優秀企画賞/特別賞(今回はおそらく最優秀企画賞が該当)のアントーニン・K・K・クドゥラーチュ Anatomie pocitu úžasu (センス・オブ・ワンダーの解剖学)は副題が“Česká populární fantastika 1990 – 2012 v kulturním, sociálním a literárním kontextu(文化・文学・社会的コンテクストにおけるチェコのポピュラー・ファンタスチカ 1990-2012)”という、非常に興味深そうな内容の書で、ぜひ読んでみたいのですが、電子化されておらず、紙書籍が送料が高いため手が出ておりませぬ。すいません。
功労賞のアレクサンドラ・パヴェルコヴァーはスロヴァキア語ができないぼくには、これまた手が出せない存在であります。重ねて、すいません。